第1話 Beyond the 3.11 Tsunami: The Angel Bear REBORN & RETURN Project 

再生の記録

2011.3.11東日本大震災で被災した一体のぬいぐるみ。大津波に流され、拾われました。…ですが、その後15年間、汚れたままでした

2011年3月11日。津波に流され、被災物の中に埋もれていた、ちいさなくまのぬいぐるみ。救出はされはしましたが、津波で揉まれ、汚れ、傷つきました。2012年10月。これ以上の劣化の進行を防ぐために袋に入って封印。以来、長い「冬眠」の時間を過ごしてきました。2026年1月。震災から15年を前に、この子に再び目覚めてもらっては?今がその時では?と、決意しました。背中に羽を持つその姿から、私たちは「エンジェルくまちゃん」と呼んでいます。

手術台の上で子供のぬいぐるみを扱っている医療従事者の手。白い皿に置かれたぬいぐるみと、その横にある書類。

汚れたままのエンジェルくまちゃんを、専門家のお力を借りて、丁寧に洗浄し元通りのきれいな姿に修復し、傷を癒やしてあげることにしました。2026年2月。探して見つけた専門のお医者さんにお世話になることにしました。2月9日(月)、オンライン診断を経て、2月24日(火)、入院。

入院先は、東京の「杜の都なつみクリニック」( @morinomiyako_natsumi )。院長 箱崎 なつみ 先生をはじめとする医師たちによる、丁寧な治療が始まりました。

  • 津波の記憶を15年分、宿したからだをきれいに洗います。
  • 中綿を、丁寧に取り出し、身体の奥深く全身に入り込んだ汚れ、砂や草も洗い、取り除きます。新しい綿に取り替えるとともに、「記憶の綿」も一部を洗浄し、再びその身に宿します。~あの日を生き抜いた証を残すため。
  • 外傷、傷んだ身体の傷を癒やし、元通りの健やかな体を取り戻します。

これらの治療をして、エンジェルくまちゃんの、身体の再生を達成します。再びこの世界に歩み出し、人とふれあえるくまちゃんに戻っていただきます。

汚れたクマのぬいぐるみが白い皿の中に置かれている。

身体の再生を果たした後も、心に残るものは、容易くは消せないかもしれません。心身ともに元気になるためには、くまちゃんに、何があれば良いでしょうか。プロジェクトでは、きれいになったくまちゃんを、元の持ち主にお戻しできるかどうかにチャレンジします。当時の持ち主を探してみます。くまちゃんが見つかった場所を尋ね、可能性を探ってみようと思います。持ち主は、わかるかもしれません。でも、もう会えない方なのかもしれません。いずれだとしても、きれいになったくまちゃんを、元の持ち主や親族の方にお戻ししたいと考えています。くまちゃんの里帰り・帰郷が達成し、プロジェクトはエンディングを迎えられると思います。

でも、持ち主は見つからないかもしれません。

その時は、くまちゃんが自身の身に起きた経験・記憶を伝え続ける伝承者として生き続けられる、これからの新しい居場所づくりをしてあげたいと思います。プロジェクトが描く2つ目のエンディングです。くまちゃんが帰郷できた時。または新しい居場所をもつけることができた時、くまちゃんの本当の再生が達成されると思います。プロジェクトはこれを目指します。これまで歩んできた歳月を、大切な記憶として宿しつつ、心身ともに平穏を取り戻し、大切な誰かに、多くの人に、再び明るい笑顔(Ngiti)をもたらしてくれるくまちゃんに戻れますように。

これらの過程の全てを、サイトやSNSで記録・公開していきます。15年ぶりに命を吹き返し、本来の輝きを取り戻す奇跡。そして本来の居場所を求めて、動き出すエンジェルくまちゃんの歩み。これらの進捗を、どうぞ温かく見守ってください。

震災によって失われたものは多くあります。ですが、私たちは明日に向かうことが必要です。エンジェルくまちゃんに再生してもらい、本来の居場所に帰ってもらうことが、震災からの復興と、私たちのこれからに、少しでも役に立つことを願っています。

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